再び神官と王シリーズのお話。
4巻の『神官は王を悩ませる』で今までにない感動しちゃいました。
個人的好みでは女の入れ替えのような受けはあまり興味ないのですが心入れ替えました。
神官の冴紗はこの世のものではない美貌の美青年で羅剛という王様の妃でもあります。
冴紗は全てを羅剛のために生きていてその在り方が半端なくいじらしく書かれていると読みながら微笑むしかありません。
よくもまあそういう考え方が出来るものだと驚くのだけど、実は冴紗が「世の道」を握っているのにさらに驚きます。それを分かっている羅剛は冴紗の影として生まれてきたことを自覚するのだけど、冴紗はその反対のことを考えている。
まさに陽と月のような関係。お互いを立てつつ引き、引かれる存在。
羅剛の冴紗に対する激しい恋心も、どうしてこんなに好きになっちゃったんだろうという歓喜と”もだえ”が素敵です。王であるのにどんなにみっともないまねをしてもさげすまれても冴紗を守ることこそ男の、いや夫としての誇りだと豪語する強さ。
王だから、とか美形男子だからかっこいいんだと言っては見も蓋もないけど、かっこいいんだからしょうがない。
自分がどれだけの恋をしたらそういうことが書けるだろうかと思える文章でした。
ここまで愛し合うことを、SEXではなく気持ちで表現できる面白さって今までなかった。
こんなに濃くていやみなくらいの愛情表現なのに認めざるを得なくて笑ってしまいます。
めでたくサヤに納まっても恋心は以前より増すのがいつまでも面白く読めるのがすごいです。
恋ってやっぱりいい、と思えるシリーズでした。
などと夢ごこちで読書に耽る秋。
そして明日も仮りの姿で会社でお仕事。これもファンタスティックだよね。