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王朝ロマンセシリーズ

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秋月こおさんの王朝シリーズです。
本編は春夏秋冬に合わせてタイトルがあり4巻。
春宵、夏曙、秋夜、冬陽

外伝3巻。

挿絵を描いた唯月一さんのコミックが3巻。

小説はどれもぎっしり書き込んで文庫本に厚みがあって、これだけシリーズがあっても最後まで飽きないお話です。
主人公の孤児で稚児上がりの美少年の千寿丸(実は高貴な・・・)、それを大事に慈しむ大納言の御曹司諸兄(もろえ)、その親友でプレイボーイの在原業平、それを慕う千寿丸にそっくりな国経。
平安時代の美貌のお貴族様たちの恋模様です。

「なりまする」
「ござりまする」
「樋殿」(トイレ)
等言葉遣いはなれないと辛いかもしれませんが、貴族の日常や仕事ぶり、当時のしきたりなど作者はそうとう勉強してドラマのようです。
面白くする為多少のモリはあれど娯楽本なので嘘も面白くです。
諸兄のベタ惚れやとぼけに癒され、千寿の素直な受身もほほえましいです。とにかく二人なら地の底まで落ちてもいいと思うほどの睦まじさ。
業平と諸兄の掛け合いがまたおかしい。

業平と国経は外伝で深まりがわかり、また外伝と本編との話のつながりはそうとう練った構成が出来てのお話だったと思います。
しばし平安京に幻身を預けてみてはいかがでしょうか。

それにしても秋月さんの本はAmazonでほとんど高評価を得てますね。
力のある作家さんがBL書いてくれるのは非常にうれしいです。
次は幸村シリーズを読んでみようと思います。