少し前にBSで放映していた『覇王別姫』の録画を観てました。
京劇の女形と男優のお話で、そこかしこにそれとなく同性愛が描かれた有名な中国映画です。
この映画のあとに亡くなった主役のレスリー・チャンには目が釘付けになりますね。女形独特のしなやかさに見惚れ、もともと同性愛のレスリー・チャンの為の映画のように思えます。
ただ役どころの本音がイマイチはっきりしないのが煮え切らない感じでした。”ヘテロ”の男優がレスリー・チャンと遊女あがりの妻との間に挟まれた葛藤とか、その妻の心境も許しているようなそうでないような。
文革を挟んで京劇の有り方が変わる中、迫害されたと思ったらいつの間にか復活したりもその理由がよく分からなかったです。
これらはストーリーの中からポイントを拾い集めて考える(想像)映画なのでしょうね。
長い映画だったけど展開はしっかりしているので飽きません。見終わって暗くなりますが。
どうして同性愛物は暗いのが多いんだろう。ずいぶん前にDVDで観た『月と太陽に背いて』も未だに胸の中に影を落としている。
自分のコミックはハッピーエンド万々歳でありますが、翡頼の本当の最後の作品は手放しでハッピーでは終われない予感がします。でもそれを描ける自信はありません。絶対泣いてしまって描けないと思う。
翡頼の存在を今も偲ぶなら、描かなきゃいけないという使命感を先延ばしにしたくて中途半端なコミックを描いている、というのが本音です。終わりが分かるから、それをかき消すようにハッピーエンドにしてるのもコミックを描く上で原動力になっているんだと思います。
そんなことを言わせる、やっぱり頼忠は魔性武士ですよ。