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人気小説家集団「Unit Vanilla」のSASRAシリーズ4巻です。
罪ある恋人たちの輪廻転生の物語。
展開としては1巻で現代の恋人たちの出会いと、物語の原因となる古代エジプト王国の王子と神官の物語。
王子と神官は神の声の代理人である少年ティティに悪気があったわけではないのだが罪を着せられて不運の結末となる。
この少年の罪の償いは不老不死と声を出せない、食べられないという苦行で未来へと旅を続けること。そして罪をかぶりながら転生する恋人たちを救うこと。
恋人たちは前世を忘れて何度も出会うこととなり、唯一恋人たちと少年を繋げるのはエジプト時代に問題となったラピスラズリで後世は指輪となって3人を引き合わせる。
1巻は現代から離れ、古代エジプトに飛ぶ。
それと書き下ろしの中国編。かんざし職人と出世した幼馴染みの恋物語。
2巻はローマ軍の騎士と大敗した敵国の戦士が奴隷剣闘士としコロセウムで戦いながら惹かれあう。
次は美丈夫な盗賊と見目麗しい貴族の悲恋。
3巻はインカ帝国の通訳と捕虜となった美貌の貴族。
そして江戸時代は貧乏武士と将軍の落し種の仮面の少年の物語。
4巻は大正ロマンの時代からやっと現代に戻り大団円となる。
不時着した砂漠で幻の古代エジプト時代の宮殿でティティに導かれ罪の償いをし、ティティもアメン神に許されて昇天していった。
さて現代まで続いた恋人たちは何度も出会い、何度も悲恋を繰り返す前世を確認しめでたしめでたしに終わる。
途中、全てハッピーに終わることのない話しに、どれも死なせたくないキャラゆえ切なくなる。BLに於いて死ネタはご法度というものの、それゆえに彼らの恋に対して執着が出てきてしまう。
その切なさのストレスがグランドフィナーレで「そろそろ一緒に住むか」という初めて実る恋に感動します。
もしかしたら呪われた恋つづりはこの現代編で大往生となるのだろう。満たされない救われない叶わないの表れが転生だとしたら、もう”生き返らない”のが恋人たちのゴールであれば喜ぶべきことだと思う。
同じくUnit Vanillaのアーサーズ・ガーディアンシリーズは少しコミカルでこれと対照的だ。自分はそれでも両方欠かせない好きなシリーズです。
SASRAとは流離うから来てるのだろうか。
読み終えて旅をしたなーって感じ。大満足です。
さてイラストは大好きな円陣闇丸さん。
もう絵もいいとどんどん話しに夢中になりますね。ほんとに色気があっていいです。